出展者ご紹介:ECRIT (エクリ)

エクリさんは、第2回からブックフェスタに参加いただいていますが、瀟洒な装丁が並ぶその一画は、そこだけ会場の空気が澄んでいるかのように感じられます。静かだけれど力強い、そんな本を、一冊一冊積み重ねてきていらっしゃいる版元です。
エクリさん、今年は、新刊を携えてやってきてくださいます。映画監督アンドレイ・タルコフスキーの『ホフマニアーナ』。ブックフェスタのちらしの紹介文には、「ドイツの幻想作家ホフマンを題材に、タルコフスキーが構想を進めていたもので、撮影寸前で監督の死により実現しなかった「幻の8作目」です」とあります。そういえば、エクリさんからは、タルコフスキーのお父さん、アルセーニイ・タルコフルキーの詩画集『白い、白い日』も出ていました。



エクリさんのユニークな活動として「木林文庫」があります。これは、木にまつわる本のコレクションなのですが、東京目黒区にあるオフィスの一画を予約制の図書室として公開しています。この「木林文庫」について伺いました。

「木林文庫」では蒐集の括りを広げて、いま、樹の「みどり」にも注目しています。
『みどりのゆび』(モーリス・ドリュオン)の挿画家はジャクリーヌ・デュエーム、訳者は安東次男。この本は木林文庫を開く以前からの愛書です。デュエームはエリュアールの童話『グランデール』フランス版の挿画家です。エクリでは、この『グランデール』と『恋愛』、2冊のエリュアール本を出版しています。
そしてバルガス・リョサの濃密な力作『緑の家』。絵も話もすがすがしい『みどりの船』。『緑の館』『流転 緑の廃墟』等などもあります。
これからもみどりが緑を呼んで「グリーン本」が集ってくるでしょう。


木林文庫の詳細は、エクリさんのHPにあります。規定の日時以外でも対応していただけるとのことなので、ぜひ相談してみてください。
また、ご紹介しました『ホフマニアーナ』刊行イベントもあるとのこと。10月31日にエスパス・ビブリオ(御茶ノ水)にて刊行記念トークショー東横線学芸大学駅古書店流浪堂では、10月3日から31日までタルコフスキー/ホフマンの特別コーナーができるそうです。さらに渋谷文化村のナディッフモダン、12月には京都の恵文社一乗寺店、来年1月には銀座の森岡書店で記念イベントが開催予定だそうなので、HPをチェックしてください。

ECRIT (エクリ)  http://e-ecrit.com/