出展者ご紹介:羽鳥書店

イベント等でご一緒する機会も多い羽鳥書店さん。つい先月にも、表参道・山陽堂書店での「本の産直・夏まつり」でお世話になりました。
羽鳥書店さんの創立は2009年。東京大学出版会におられた羽鳥和芳さんを中心に3人でスタートしたそうです。法律関係の専門書をひとつの軸にして、アート、文学など幅広い……いえ、幅広いというよりは、ジャンルをまたぐ本、あるいは、新しいジャンルを作り出してしまうような本を出し続けています。
ブックフェスタで羽鳥書店さんのブースを覗くと、強い色づかいのアートブックや、優しい空気で包まれた絵本、シャープな顔つきの文芸書などが、並んでいます。どの本にも、おだやかに読み手を受けとめてくれるような優しさと、「よい本」とは何か、その芯をしっかりと捉えていることから生み出される風格のようなものを感じます。
毎年ブックフェスタに来てくださる営業の糸日谷さんのメールに、「羽鳥書店の本はジャンルもバラバラですが、どれも読むたびにじんわりと新しい魅力が伝わってくるような本という共通点があるような気がします」という一節を見つけたときは、「その通りだと思います!」と、思わず声が出ました。
今回のブックフェスタで販売する本のなかから、おすすめを3冊あげてくださいました。
まずは、羽鳥書店といえばこの本、と思っていらっしゃるかたもいるかもしれませんが、画家・山口晃さんの著書『すゞしろ日記』。羽鳥書店創立時に出した3点のうちのひとつだそうですが、ずっと人気を保っているのですから、すごいです。

そして、不思議な雰囲気をかもしだしている絵本『パトさん』。「パトさん」の一生を淡々と描いているのですが、あたたかなようでいて、かすかな不穏さもあり、優しさと孤独が一緒に押し寄せてくるような本です。

もうひとつは『土偶・コスモス』。写真が美しく、考古学に詳しくなくても、フォルムの美しさや模様の繊細さ、なんとも言えない表情を見ているだけで時をたつのを忘れてしまうような本です。

羽鳥書店  http://www.hatorishoten.co.jp