出展者のご紹介/書肆くさびら堂について

今回は、出展者の書肆くさびら堂から届いたメッセージをご紹介します。「くさびら」とは「きのこ」のこと。港の人から、昨年『きのこ文学名作選』を刊行した、写真評論家・きのこ文学研究家の飯沢耕太郎さんが主人をつとめる、きのこ本を扱う幻の古書店です。かまくらブックフェスタでは、飯沢さんの代わりに、ギャラリーやカフェなどで古本イベントや古本の販売をおこなっている、古本ユニットriccaが店長の代役をつとめます。



* *



書肆くさびら堂は、きのこ文学研究家、飯沢耕太郎が店主を務めるきのこ本専門古書店です。といっても、今回の「かまくらブックフェスタ」がデビューとなります。
写真評論家として飯沢耕太郎をご存知のかたは多いと思いますが、最近はきのこ関係の著書も多く出す「きのこ文学研究家」でもあります。「きのこ文学だなんて、いったい突然何を言い出すのだ!?」と不審に思われたかたは、ぜひ飯沢の「きのこ文学大全」(平凡社新書)を参照していただきたい。
今回、書肆くさびら堂では、比較的お求めやすい価格のきのこ本をご用意しておりますが、そのなかから3冊だけ、ご紹介します。

この「しいたけ健康法」の著者は、しいたけの人口栽培を発明し、しいたけの父と呼ばれる森喜作氏。しいたけ料理のレシピを数多く紹介しながら、きのこがいかに体によいものであるかを語る口ぶりには、実に深いきのこ愛が感じられます。

そして、日本が誇る「きのこ画家」小林路子さんの楽しいエッセイ集が「森のきのこ採り」。小林さんの描くきのこ画は、細密で繊細な美しさで有名なのですが、この本には童話風のイラストが入っていて、これも楽しい。でも童話風とはいえ、きのこがやっぱり格段に美しいのです。このほかに、小林路子さんの絵本も出品します。

「きのこ学騒動記」の著者、四手井淑子さんは市井のきのこ学者として知られる人で、夫は森林生態学者の四手井綱英氏。この本は、主婦であり母親であるひとりの女性が、きのこと出会い、きのこにのめりこんでいく様子が綴られています。情感豊かな文章で魅了する稀有なきのこ本と言えるでしょう。続編にあたる「きのこ学放浪記」も出品します。


このほか、図鑑や絵本、漫画や小説、画集、料理本など、幅広い「きのこ本」を取りそろえてお待ちしております。ほとんどが1点のみなので、売り切れ御免でお願いいたします。また、古本のほかに、きのこグッズのコーナーも設けて、みなさんにきのこの魅力をお伝えしたいと思ってます。ただ、残念なことに店長は当日海外に行っており不在なので、この「書肆くさびら堂」の協力者でもある「古本ユニットricca」が店番をいたします。
あ、それから、最後に店長の著書を紹介させてください。
まず、主催者である「港の人」から昨年出た「きのこ文学名作選」。きのこの登場する小説や詩のベストセレクション・アンソロジーです。祖父江慎さんのユニークなブックデザインで各所で話題となりました。限定部数の本なのですが、かなり残り少なくなっているので、今秋が最後のチャンスです。
また、9月にはマガジンハウスより「きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ」が出ます。こちらもよろしくお願いします。



「しいたけ健康法 ついに明らかにされた菌食効果」森喜作(光文社)


「森のきのこ採り」小林路子(白日社)



「きのこ学騒動記」四手井淑子海鳴社



新刊「きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ」飯沢耕太郎(マガジンハウス/9月発売予定)


きのこ文学名作選

きのこ文学名作選