出展者のご紹介/たらば書房について



ブックフェスタの出展者のなかでは唯一の新刊書店「たらば書房」についてご紹介します。鎌倉には、駅前だけでもたくさんの書店がありますが、鎌倉に住む作家さんや本好きの人たちにとっては、本屋と言えばここ、というくらいに有名なお店。今回のブックフェスタのテーマのひとつは「鎌倉」ということで、鎌倉の街で本文化を支えるたらば書房に、出展をお願いしました。

見た目は町の小さな書店、といった感じですが、中に入ってみるとその品揃えのよさに気付くはずです。決して広くない店内のなかに、雑誌や話題の新刊本などはもちろんのこと、美術書や詩集などの専門書も豊富にそろっており、都内の大型書店でしか手に入らないような珍しい本もきちんと目配りされています。

平積みにされた新刊棚ももちろんありますが、一冊ずつ棚に並んだ本をじっくり見ていくと、さらにこのお店のおもしろさがわかると思います。ふだん新刊書店では見かけない古い本などが置いてあったり、大手の出版社による本とリトルプレスとがさりげなく並んでいたり、どこか他の新刊書店とは違う雰囲気があります。宣伝用のPOPなどはほとんど付けずひっそりと本が置かれているだけなのに、欲しい本が必ず一冊は見つかる、不思議な本屋さん。港の人の本もいつも置いてもらっていますし、今回のブックフェスタに出展する京都の編集グループSUREの本も何冊も置かれています。

作家の井上ひさしさんや、保坂和志さんもたらば書房の常連で、彼らのエッセイや小説のなかにも登場しています(保坂和志さんの最新エッセイ集『猫の散歩道』収「たらば書房と日の丸軒」など)。また、常連さんにおすすめの本を紹介したり、お店まで来れないお客さんに宅配サービスを行っていたり、地元のお客さんとも密なつきあいをしているのがわかります。店内では、「こういう本を探してるんだけど」と尋ねるお客さんとお店の方々との会話をよく耳にします。

ブックフェスタでは、たらば書房がセレクトした「鎌倉の本とおすすめ本」を販売します。鎌倉出身/在住の作家による本から、鎌倉を舞台にした作品、たらば書房が独自に扱っているリトルプレスなど、さまざまなおすすめ本を紹介します。またお店の名前の由来は、店主が以前かかわっていた同人誌からとったものだということで、ブックフェスタでは、同人誌「たらば」も見本として展示されるそうです。23日(終日)と24日(午後)に、店長さんが店番に立つ予定なので、お店のことや鎌倉のことなどを話しながら、本を見ていただければと思います。そして帰りにはぜひ実際のたらば書房に寄って、その魅力を体感してみてください。


たらば書房
神奈川県鎌倉市御成町11-40(鎌倉駅西口から徒歩1分)
tel 0467-22-2492
【営業時間】
9時30分〜21時(平日・土曜)
10時〜19時(日曜・祝日)  無休