出展者ご紹介:夏葉社

かまくらブックフェスタの会期もだんだんと近づいてきました。第1回目からの参加と今回初めての参加、地元鎌倉からの参加と遠く関西からの参加、本当に多彩なかたがたに出展していただけることになりました。そんな出展者のかたがたをご紹介していきたいと思います。

まずは、夏葉社さん。島田潤一郎さんが営む、ひとり出版社。ブックフェスタにいらしていただくのは初めてですが、今まで、他のイベント等でお会いすることも多くありました。そして今年は、港の人から以前『珈琲とエクレアと詩人』を出してくださった橋口幸子さんが、夏葉社さんから『いちべついらい』を出されました。『珈琲とエクレアと詩人』は、港の人とも縁の深い詩人の北村太郎さんについての本、そして、『いちべついらい』は、北村さんの恋人でもあった田村和子さんの本、ということで、遠い親戚になったような気分なのです。
『いちべついらい』の制作中、島田さんは何度となく鎌倉に通われたようです。そういえば、鎌倉駅近くで、島田さんと橋口さんがご一緒に歩いておられるのにばったりお会いしたこともありましたっけ。
『いちべついらい』や鎌倉のことについて、島田さんから素敵な文章をいただいたのでご紹介したいと思います。

読んだそばから、内容はもちろん、版面や、装丁、手に持った感じなど、忘れられない本というのがあって、港の人さんから2011年に出た『珈琲とエクレアと詩人』は、まさにそういう本でした。北村太郎さんも、著者の橋口幸子さんも、ずっと、頭に残っていたのでした。橋口さんとおつきあいをさせていただくようになったのは、弊社の『冬の本』がきっかけでした。橋口さんが原稿を書いてらっしゃると聞き、橋口さんが住んでいる鎌倉に何度も行きました。ぼくの知っている鎌倉ではない鎌倉を、橋口さんは案内してくださり、なかでも、御成通りをよく歩きました。しばらくして、橋口さんの新刊『いちべついらい』ができあがって、それを眺めていると、ぼくは、北村太郎さんや田村隆一さんのことよりも、鎌倉のことをよく思い出すようになりました。鎌倉でなければ生まれないなにか、というものが、あるような気がしてなりません。

御成(おなり)通りは、地元の人には「裏駅」と呼ばれている鎌倉駅西口からのびるのどかな商店街です。ちなみに港の人の事務所も、もちろん、「裏」サイドにあります。もうひとつつけ加えさせていただくと、今度のブックフェスタの会場は、御成通り商店街を端まで歩いて少し行ったところになりますので、「裏」の風情を味わっていただけたらと思います。
島田潤一郎さんの著書『あしたから出版社』(晶文社)もぜひお読みください。

夏葉社ホームページ   http://natsuhasha.com