出展者ご紹介:北と南とヒロイヨミ

雑誌『北と南』ヒロイヨミ社のコラボ出展は今年で2年目。昨年は、ブックフェスタに合わせて小冊子『ほんほん蒸気』を制作し、会場で販売なさっていました。
『北と南』は、写真、エッセイ、小説、インタビューなどが、ゆるやかにつながりながら一冊の冊子に収まっています。作品を寄せている作家たちや取りあげられる話題も、さまざまなジャンルから編集人である河内さん独自の視点で選ばれていて、内容の密度も濃いのですが、何よりも読んでいて心が広がっていく感じが快い雑誌です。
一方「ヒロイヨミ社」は、美しい文学アンソロジーを、もう何冊も出されています。手製本や活版によって生み出される、すみずみにまで神経の行き届いた作品の数々。とは言っても、形ばかりじゃありません。収録された文学作品の選びかた、並べ方、置きかたからは、山元伸子さんの文学を深く愛する心が伝わってきます。
そして、今度のブックフェスタでは、『ほんほん蒸気』第2号がお目見えするとのこと。第1号では、「詩」をテーマに、さまざまな人が文章を書いていたのですが、他の雑誌ではなかなか読めないような質の高いエッセイが集まっていました。編集の力量ゆえですね。冊子の姿は、雑誌名にふさわしい愛嬌がありつつも、ヒロイヨミ社らしいていねいさも伝わってきます。じつは、この第2号では、港の人社長も文章を書かせていただきました。うんうん唸りながら、何度も書き直して完成させた文章ですが、やはり内容は、詩人の北村太郎さんのことになりました。ぜひ、会場で手に取ってください。
『北と南』とヒロイヨミ社、おふたりからのコメントです。

『ほんほん蒸気』の2号目は、ブックフェスタに合わせての発行です。前回は、〈詩〉をテーマにしましたが、今回は〈海〉です。3つの作品を選んで、それについてのエッセイを寄せていただきました。
今回も、本を読む人、書く人、作る人、売る人、などなど、本のまわりのさまざまな方々にご協力いただきました。
執筆者は、木村友祐さん、山崎佳代子さん、加藤政洋さん、石川美南さん、金子奈美さん、トニー李さん、村橋貴博さん、上野勇治さん、今野真さん、安田謙一さん、郷田貴子さん、岡本啓さん、鶴谷香央理さん(漫画)。(河内と山元も書いています。)
小説、批評、エッセイ、詩、短歌、俳句、絵本などなど、ジャンルが入りまじったおもしろいブックガイドになりました。
絵は創刊号にひきつづき大平高之さんです。表紙は活版印刷で刷ります。
ヒロイヨミ社は、由比ヶ浜で拾った貝殻の欠片と三つの言葉を封筒にいれた『漂流片』という手紙のような本の、かまくらブックフェスタ版を作りたいと思っています。これまでの出版物のほか、7月に制作した『漂流箋』も販売します。
『北と南』は、管啓次郎さん、野崎歓さん、島田潤一郎さん、寺尾紗穂さん、松永良平さんなど総勢1クラス分の執筆者が参加した第4号(特集「川」)と、第3号(特集「これから」を販売します。