出展社ご紹介:夏葉社

かまくらブックフェスタ」でも、他のイベントでも、夏葉社のブースはいつも整然と本が並んでいます。4、5年前は展示用のテーブルがやけに広く感じられるほどの点数が並ぶだけでしたが、最近では、本と本の隙間がだいぶ少なくなってきました。それでも、整然とした雰囲気は変わりません。夏葉社の空間は、整っていながら、人を受け入れてくれるようなあたたかさも感じられます。それが、夏葉社の本の個性であり、島田潤一郎さんの人柄なのだな、と感じます。
夏葉社の最新刊は『移動図書館ひまわり号』。この本の旧版に大きな影響を受けた、という図書館員のかた何人か出会ったことがあります。今回の復刊は、多くの人が待ち望んでいたことであり、これから先ずっと意味を持ち続けていくことと思います。
島田さんが、「日頃考えていることをまとめました」と、文章を書いてくださいました。ぜひお読みいただき、会場へいらして、この本を手に取ってみてください。

今年の7月に『移動図書館ひまわり号』という本を出したことが縁で、図書館で働く人たちと話す機会が増えました。そうすると、ますます本というものの存在がおもしろくなって、あんな本をつくりたい、こんな本をつくりたい、と思うようになりました。それまでは、書店に並ぶ風景、読者の部屋のなかにある本をイメージして本をつくっていましたが、このごろは、図書館の書架に並んでいて、それを利用者が面白そうだと思って借りていく姿をイメージしています。「町と本」という言葉のイメージをできるだけ豊かにしたい。最近はさまざまな人の影響で、力んで仕事をしていることが多いです。