トークイベント「本屋がなくなったら、困るじゃないか 鎌倉ぐびぐび会議」

今年もブックフェスタ開催の両日、トークイベントをおこないます。毎年、さまざまなかたに登場いただき、さまざまなテーマでお届けしていますが、今年は初めて、本の流通を取りあげます。
港の人も、版元として日々、書店や取次の皆さんのお世話になっていますが、流通とか業界のシステム全体にたいしては、すっきりしないモヤモヤした気持ちは膨らむ一方。街の本屋さんの苦闘ぶりを目の当たりにして、さらにモヤモヤ。そのモヤモヤにちゃんと向き合えていない自分自身を省みて、もっとモヤモヤ。お恥ずかしいことに、モヤモヤ放置の現状です。
そんななか、九州でこの現状をなんとかしようという独自の動きがあることを知り、そのことを鎌倉で詳しく教えてほしいと、ほとんど衝動的にお願いしました。この厚かましい申し出に快くこたえてくださり、西日本新聞社出版部の末崎光裕さんと忘羊社藤村興晴さんが登場してくださることになりました。
おふたりは、規模でも歴史でもブックフェスタの大先輩「ブックオカ」の立ち上げから関わっておられ、昨年ブックオカでおこなわれた「車座トーク」の進行役でもあります。
この車座トークについては、とにもかくにも『本屋がなくなったら、困るじゃないか 11時間ぐびぐび会議』西日本新聞社刊)を読んでいただきたいです。ブックフェスタ当日は、昨年の車座トーク後のこと、本には載っていないさまざまなことを、お話しいただけるはず。

『本屋がなくなったら、困るじゃないか 11時間ぐびぐび会議』の前書きにこうあります。

この座談会を開催するに当たり、メンバーの間で一つだけ取り決めたことがある。それは、業界のグチや批判に終始するのではなく、あくまで「未来」のためにこの場を持つのだということだ。それだけは肝に銘じとかんといかんばい、と。

この精神は、かまくらブックフェスタでも、しっかり守りたいと思います。
本の流通の話、というと業界話のように聞こえるかもしれませんが、誰もが通う本屋さんの話であり、誰もが手にする、「この本」の話でもあります。末崎さん、藤村さんのおふたりは、自分たちが話すだけではなく、会場の皆さんの話も聞きたいと、はりきっておられます。舌の回りがよくなる魔法のお薬も、九州からもってきてくださるとか……。書店員や取次、版元のかたはもちろん、本の好きな皆さんに来ていただいて、本の「未来」のための時間をご一緒できたらと思います。
おふたりは、鎌倉の前日7日にも文禄堂高円寺店トークをおこないます。高円寺と鎌倉、続けてのご参加をぜひ!
西日本新聞社、忘羊社は、会場で本の販売もおこないます。
西日本新聞社は、港の人で「四月と十月文庫」を出してくださっている画家の牧野伊三夫さんが手掛けている「雲のうえ」の合本『雲のうえ 一号から五号』を出しておられますし、話題の『戦争とおはぎとグリンピース』『カンカンバッチ』も持ってきてくださることでしょう。
忘羊社も、『ボクシングと大東亜』、新刊の『絵描きと画材屋』はじめ、話題作を持ってきてくださることと思います。
博多からの風が鎌倉で吹き荒れるのを、ぜひ目撃ください。