トークイベント「短歌と写真と活版印刷」/「山羊の木」について






*山羊の木制作による、石川美南・橋目侑季『夜灯集』
短歌と写真のカード型作品集。
短歌:石川美南
写真:橋目侑季
印刷(活版):海岸印刷
「山羊の木」HP通販コーナーにて販売(現在は品切れ)
写真は「海岸印刷」HPより転載(撮影・橋目侑季)



9月23日(金・祝)16時から、短歌と写真と活版印刷の作品作りをしている「山羊の木」のおふたり、石川美南(歌人)と橋目侑季(写真家)によるトークイベントを開催します。

石川美南さんは1980年生まれの歌人。同人誌「pool」、および同人誌[sai]に所属。歌集に『砂の降る教室』(風媒社)、9月に刊行したばかりの双子歌集『裏島』『離れ島』(本阿弥書店)などがあります。また石川さんは大のきのこ好きでもあり、かつて「MOOKきのこ」に寄稿されていた経験もあるそうです。歌集『砂の降る教室』には、きのこの歌も収録されています。

橋目侑季さんは、「山羊の木」の写真・活版印刷担当ということで、2006年に始めたプライベートプレス〈海岸印刷〉にて、活版印刷による制作物を手がけています。『夜灯集』のカードの写真はもちろん、「海岸印刷」のHPに載せられた美しい写真も橋目さんによるものです。

「山羊の木」は、石川さんと橋目さんが、短歌と写真と活版印刷のウェブサイトとして運営しているサイトの名前。これまでにいくつもの本や冊子などをつくり、展示会などで発表したり、「山羊の木」HPにて販売をしたりしています。

23日のトークイベントでは、「山羊の木」の活動を始められたきっかけやこれまでの活動のこと、そして「山羊の木」制作の本や冊子について紹介していただきます。おふたりともまだ若い女性の方々ですが、なぜ活版印刷による制作物を手がけるようになったのか、自分たちの作品を、自分たちの手で本にしていくことのおもしろさとは何なのか、短歌と写真と活版印刷の魅力について、語っていただきます。

会場では、すでに絶版になってしまったものも含め、「山羊の木」の制作物を展示販売いたします。現在発売中の「小説新潮」9月号で作家の北村薫さんが、箱を開けて驚いた、と紹介している『夜灯集』(現在は品切れ)。そして最新作の『机上ノ灯台』。どちらも、小さな箱の中にたくさんの写真と短歌のカードが集められた、ふしぎな「本」です。ぜひ実際に手に取って、その繊細な造りと、活版印刷による文字の美しさ、そしておふたりの短歌と写真のすばらしさに触れてみてください。最後に、北村薫さんによる『夜灯集』の紹介文を引用しておきます。

縁あって『夜灯集』(山羊の木)という《小箱》を掌にのせたこともある。いつか、どこか遠く暗い街の土産物屋で買ったような箱だ。何年か前のことだった。これを開け、『きのこ文学名作選』を見た時のように驚いた。

石川の作った短歌の、そして橋目侑季の写真のカードが入っている。名刺よりは大きく、葉書よりは小さい。これは、この二人が「わたしたちです」と伝える、名刺であり、葉書なのであろう。

北村薫/連載「うた合わせ 」「小説新潮」2011年9月号

「山羊の木」制作物の展示販売について

【販売】
『机上ノ灯台
日没と共に明滅を始める記憶の断片——。
過去の資料からの引用・図版と、現在の短歌・写真を収めた、私的灯台誌。
カード56枚(活版印刷、オフセット)。

「星の栞」
「ひま栞」
活版の栞セット。

『裏島』
『離れ島』
石川美南歌集(本阿弥書店刊)

【見本展示】
『pieces』
『物語集』
『夜灯集』
『漂流の記憶』



「山羊の木」HPはこちら