出展者のご紹介/編集グループSUREについて


編集グループSUREはの「SURE」とは、「街の律動をとらえる」(Scanning Urban Rhyme Editors)の意味。作家の黒川創さん、画家の北沢街子さん、編集者の瀧口夕美さんを中心に、京都で出版活動を行う小さな出版社です。元々は、評論家の北沢恒彦さんがひとりで「編集グループSURE主筆を名乗り、個人ジャーナル〈SURE〉を発刊。北沢さんの死後、編集グループSUREが、同じ工房とグループ名を引き継ぎ、現在の出版活動を始めたそうです。

〈セミナーシリーズ〉 鶴見俊輔と囲んで』全5巻や『〈探求シリーズ〉 鶴見俊輔と考える』全5巻などをはじめ、評論家の鶴見俊輔さんの本を多く手がけています。他にも、北沢恒彦山田稔酒はなめるように飲め/酒はいかに飲まれたか』(小さな函に入った2冊本。上品で印象に残る小さな本です)や、先日刊行された、小沢信夫・津野海太郎黒川創小沢信男さん、あなたはどうやって食ってきましたか』(まずはその書名に惹かれてしまいます)、編集グループSURE創始者北沢恒彦の生涯を追った『北沢恒彦とは何者だったか?』 、平野甲賀黒川創『ブックデザインの構想』など、他では見られないような本をたくさん手がけています。

鶴見俊輔さんの本など、少し堅い内容の本が多いように思えますが、装幀や本の佇まいはどれも素朴な魅力をもっていて、画家の北沢街子さんによる絵もすてきです。『〈セミナーシリーズ〉 鶴見俊輔と囲んで』全5巻など、思わず5冊をそろえて並べてみたくなってしまいます。

さらにSUREが面白いのは、単に本を作るだけの「出版社」ではないということ。京都を中心に、勉強会や映画の上映会など、さまざまなイベントを定期的に開いていたり、また本だけでなく、雑貨・Tシャツ・DVDなども制作しています。本の販売も直接販売によって行っていて、一部の書店をのぞき、新刊書店ではなかなか見る機会の少ないものが多いようです。またamazonでも買うことができません。

SUREと港の人とは直接の関わりはこれまでありませんでした。ただ、昔から港の人の本を置いてくれていた京都の三月書房、鎌倉のたらば書房などによくSUREの本が置かれていて、以前から気になっていた出版社でした。先日『「四月と十月」と「港の人」フェア』を開催した千駄木の古書ほうろうで、以前に「編集グループ〈SURE〉の本フェア」を行ったこともありました(古書ほうろうでのフェアについてはこちら)。

今回のかまくらブックフェスタでは、出版の中心地・東京とは離れた、鎌倉らしいイベントにしたいと考えています。京都という古都で独自の出版活動をするSUREの活動を、ぜひ紹介してもらいたいと思います。


編集グループSUREのHPはこちら